◇にわとり、命を食べる

レポート◆ニワトリ、命をたべる。おいしく食べちゃいました!(11/17)

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「ニワトリ、命を食べる。」
2012年11月17日(土)9:00~15:00
会場:ネコ事務所(中城村)


 昨日は、年に一度のニワトリ料理の日でした!生きているニワトリをさばき、美味しい料理にしていただく「命を食べる」一日です。午後からあいにくの雨となってしまいましたが、2歳から小学5年生まで親子と大学生メンバーを合わせて、20名を超えるメンバーが参加してくれました。
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いわゆるニワトリを解体する「命を食べる」プログラムですが、ネコのわくわく自然教室では悲しい日、辛い日にはなりません。年に一度、生きている「新鮮な」ニワトリから料理ができる!スペシャルなお祭りのようなものです。なので、たのしく、おいしくがテーマ。人に役立つために生まれてきたニワトリ達を上手においしく料理してあげましょう~。さばいたり、解体したりする作業は大変ですが決して、悲しい体験ではありません(^O^)/ もちろん、初めてチャレンジする親子はドキドキです。ニワトリの首を切らないといけないのですから。でも、何度もしているスタッフや子ども達は、期待満々の表情。待ちに待った、年に一度のニワトリを締められる日なんですから!
なので、ネコのニワトリ料理でのルールは3つだけ。

1)必ず親子で参加して、親子で1羽ずつさばきます。
2)悲しいことなんてない。たのしく、おいしく料理しよう!
3)そして出来上がった料理でお腹おいっぱいになろう!


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 今日、料理するのはやんばるの養鶏場から頂いてきた「廃鶏(はいけい)」と呼ばれる卵を生むためのニワトリ。卵を生産的に生むのは生後20ヶ月ほどで、その後は廃棄処分となっているそうです。お肉用のニワトリではないので、スーパーなどで一般に売られている鳥肉に比べると、肉の大きさもやわらかさも違いますが、鳥肉本来の旨味が詰まったちょっと硬めの美味しいお肉になります。

料理の手順は簡単です!
1)まずは、首をちょこっと切って血を出します。この作業が一番ドキドキ。動くニワトリの首に包丁を当てて動脈を切らなければいけません。素早くしないとニワトリも大変です。慣れていなかったり、勇気が出ないと包丁に力が入らずになかなか脈までは届きません。そして、出てきた血の温かさ。触った人は皆「熱い!」と言ってしまうほど。これが生きているニワトリなんです。お母さんが頑張ったところ、お父さんの強さを見せたところ、幼稚園生でも一緒にやって見たい!と包丁を持ったところ、大学生でもなかなか切れずに(思い切りが足りなくて力が入らず…)苦労したところ。それぞれに格闘した第一段階でした。
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2)しばらく逆さに吊るして、血を抜き切った後は、お湯に数秒つけてから羽をむしっていきます。お湯につけると毛穴が緩んで子ども達が引っ張るだけで羽が抜けていきます。羽をむしるのは、作業としては大変ですがここをすぎるとあっという間に「お肉」に見えてきます。さっきまで、真っ赤な血を見て戸惑っていた子も、もうニワトリにさわれるようになってきました。
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3)羽がなくなったら、いよいよ解体に入ります。今日はここで大雨が降ってきてしまいました。でも、タープを張って雨をしのぎつつ料理を再開です。ここでは、どんなお肉で作られているのか、ひとつひとつ見て行くために、ここではもも肉、ムネ肉、ササミなどパーツごとに切り分けて行きます。お店で売られているパーツごとキレイに切れていくことにビックリ。そして一番感動したのが、お腹を切った時。お腹の中から、真っ白な卵が出てきた!!これには説明なしに子ども達も第興奮です!これこそ理屈ではない学びですね。
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4)そして、切り終わったお肉を使って料理がはじまりました。みんなそろそろお腹もなり始めています。廃鶏のお肉は、肉そのものの味がわかる炭火焼が一番美味しい!ということで、今日のメニューはもも肉やムネ肉の炭火焼がのった「チキンカレー」、そして骨やネック(首)などを野菜と煮込んだ「鶏ガラスープ」。更には、手羽先を甘酢で煮込んだ「手羽先の甘酢煮」、そしてそして、お腹から出てきた「卵のたまごの卵焼き」。あ、「トサカ」を焼いたのも!
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 気づけばもう1時30分。お腹が空くわけです。雨が降っているので事務所のテラスに出来上がった料理を配膳して、みんなでニワトリに感謝しながら「いただきま~す!!」
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 どんなお味?写真の表情を見てください!もう、みんな美味しくって顔中ベタベタになりながらかぶりついています(笑)お肉が硬いのだけが難点ですが、アゴの訓練と思えば。きっと近年は本当にやわらかくしているお肉しか食べていないんですね。でも味は格別。骨でとったスープも塩コショウだけの味付けとは思えないくらい、甘い鳥の味が出ていました。おいしかった!
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 参加するまでは、「どうしよう、首をきるなんてできるかしら??」、「お肉が食べられなくなったらどうしよう…」など不安な表情をするお母さん方もいましたが、みんな笑顔で美味しく食べられたことに大満足かな??
今年も美味しく、たのしいニワトリパーティーになりました。ご参加ありがとうございました!
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 今回は、雨の中での片付けとなってしまったので、ゆっくりと感想など聞く時間を取れませんでした。ぜひ、参加して見てのご感想をブログコメントへ頂けたらうれしいです!よろしくお願いします。

(ゆうにー)
Commented by がくと&ゆうり母 at 2012-11-18 14:00 x
昨日は貴重な体験を、本当にありがとうございました~^^
ゆうにーが書いているお母さんの例にもれず「お肉食べられなくなったらどうしよう」、「本当に首を切るなんてできるのだろうか…」と超びびりーで参加したのですが、意外や意外、ちゃんと首も切れちゃったしお肉、すごく美味しくいただけました!家にニワトリの足を一本持ち帰って悟ったことには、ネコのスタッフと一緒、仲間と一緒にだったから楽しくて美味しい体験にできたんだなぁ、ということ。たぶん家族だけでは、あんなにしっかりと直視することも、楽しむことも出来なかったと思います。
子どもたち、初めはとてもドキドキして触ることもおっかなびっくりでしたが、お肉になっていくにつれ感動もあり(とくにお腹から卵がでてきたのがすごくうれしかった!)、また達成感もあったようです。スープも4杯もおかわりして、お肉もがっついていました^^。今日子どもが書いたお手紙には「あぶないことやあそび方をおしえてくれてありがとう」だって!どこででもは学べないこと、いっぱい教えてもらえて本当に感謝です^^。おご馳走様でした~☆


Commented by at 2012-11-18 21:44 x
過去、家で養鶏をしていました。我が家でも鶏を解体して食べていましたが両親は決して子供に解体をさせませんでした。大人になった今、その事に感謝しています。

鶏は、決して人に役立つために生まれてきたのではない。力が強い人間が勝手に家畜として繁殖させているだけ。

死にたくないし切られれば痛いのは人も鶏も一緒。普段はおとなしく近寄ってくる鶏でも殺される前はそれを感じて必死で逃げます。首を切られる前の表情を見れば普通の人は鶏の心を感じとるはず。
私も子供の頃は好奇心で解体したがった記憶があるから、大人になった今、これは決して良い教育研修ではないと分かります。
動物を家畜化し、それを殺し食べている人間を正当化するのではなく、高度な知能があるとされている人間は、それでもやはり他の生命を奪っていかなければならない現実との矛盾をずっと考え続けていかなければならないのではないでしょうか。

命をおいしく頂くというのは人間の言い訳、思い上がり。
鶏の首を切れる子を増やすよりも他の動物を食べずにはいられない人間の本質を悩み、命を食すなどというイベントよりも申し訳ないという謙虚な心と動物たちへの供養の気持ちを子供たちに教えるイベントは考えられませんか。

宗教家ではありません。
友人のブログ記事からこの記事を知りコメントさせて頂きました。

Commented by マシュマロ王子 at 2012-11-18 22:14 x
私にできるかな?それを食べれるかな?
パパのがんばりもたくさんあり、できたし食べれました。
でもさすがに骨付きの足は食べれませんでした。とさかも食べれませんでした。理屈じゃなくてダメなものはダメなんです。こんなんじゃダメだ!親がおいしく食べるところを見せなきゃ!!と思ってたら、こうこは寝ちゃうし、りょうはずっと肉噛んでるし・・ならいいかなとほっとしました。
どうでした?とひなねえに聞かれてよかったですと即答できませんでした。私にはショッキングでした。だからといってベジタリアンになるつもりもないです。今目の前の食べるものに考えて食べてます。
子どもにとっては?必要な経験だと思ってます。本からの知識や親や先生から聞く話とは違う、経験で学ぶって何より大事だと思います。あと、ネコに参加してて調理をするのが初めてでこんなに火に近づいて平気なんだと気がついたので家で早速パンケーキをフライパンにながしてひっくり返してをしました。一回フライパンに手があたりましたが大丈夫でしたし、それからも怖がりませんでした。
実はりょうは帰りに寝て16時から次の日の6時半まで一回もおきませんでした。それだけネコを全力で楽しんでます。楽しませて成長させてくれるスタッフの皆さんありがとうございます。

Commented by ゆうにー(ネコのわくわく自然教室統括) at 2012-11-19 14:48 x
◇がくと&ゆうり母さん
早速の感想ありがとうございます!
ドキドキだったと思いますが、楽しく、おいしく頂けたことは本当に良かったと思います。人が生きていくためのいろんな挑戦のひとつとして経験にして頂ければと思います。また、家族でそうした話をしてもらえるきっかけになればいいのですが(^O^)
また、家族で話したことがあれば聞かせて下さい!

◇マシュマロ王子さん
いつもメッセージありがとうございます。だめなことも大好きなことも理屈で、なぜそうかなんて分からないこともあるはずです。大人は理屈で考えてしまいがちですが…。マシュマロ王子が言われるように「自分で感じていく」って、教わることよりも大切かも知れません。だからまずはやってみないと。料理も火やフライパンの熱さも同じですね!

◇命さん
はじめまして、貴重なメッセージありがとうございます。ご意見の中であるように、人間の力によって左右されてしまう命のはかなさ、命を食べているという重さを感じることができ、人間としてのエゴを助長することにつながらないような配慮は大切だと思っています。そうしたことを自分で考え、感じ取り、人と話すことができるような成長につながればと思います。そのためにも、今回参加された方々や命さんのように「いのちを食べる」ということを身近に感じることができる経験が大切だと思い取り組んでいます。

Commented by sakimama at 2012-11-19 16:21 x
思ったより疲れていたのにはびつくりしました。鶏を一羽さばくのにこんなに疲れると本当に考えもしませんでした。いつもはスーパーで売られている肉をただ何も考えずに買っていましたが、本来なら家で卵からかえし、育て、時期がくれば絞めていただくものでしょう。父に話すと子供のころにやっていたことを孫である娘がやった事にとても感心し、喜んでいました。
父は80歳になるいまでも現役で毎日命を取り上げる仕事をしています。その父が命の尊さは死を実感しなくては解らないといいます。父は子供のころ沖縄戦を経験し沢山の命を目の前で失い、食糧難も経験しました。そんな時アメリカ兵からもらった鶏一羽を10人で頂いたそうです。とても貴重でおいしかったのを覚えてると懐かしそうに娘に話てました。命の重みを学のは難しことだと思います。ただ娘と父が世代を超えて一つの経験を語りあえたことは私にとって何よりもよろこびでした。
是非娘とはこのことを通して神様がなぜ最初に人間を作り動物を作ったのか話たいと思います。
でもとってもおいしくて楽しかった!ゆうにー&スタッフの皆さんありがとう。

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by neco-waku | 2012-11-18 12:24 | ◇にわとり、命を食べる | Comments(5)

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