今、日本で一番熱い軽石講座
ネコクラブMコース特別企画
「軽石のふしぎを知ろう!楽しもう!」
2021年11月7日(日)9:00-17:00
ネコ事務所(中城村)
今回のネコクラブMコースは、緊急特別企画として、今話題過ぎる「軽石」がテーマ。ネコわくのゆうにーが、さまざまな方に協力してもらいながら作った教材やネタを通して、軽石や海底火山について学び、自分の手で軽石を触り、楽しみつつ軽石の魅力を感じてもらう1日です。
福徳岡の場からの軽石漂着により、沖縄県内では、いろいろな生活や仕事に深刻な影響が出ている部分もあり、辛い思いをされている方もいらっしゃる現状。そのため「災害」、「被害」、「ゴミ」、「除去」など、どうしてもネガティブな報道が目立つ中ですが、まずは、自然科学として純粋に子ども達には興味を持ってもらいたいと思っています。
火山学的には数十年に一度、ヘタしたらひとつの場所では一生に一度遭遇するかしないかのレアな地球のイベント。そのレア機会に学びが出来る今の年齢で、目の前で直に接する沖縄の子ども達には、本当はとても貴重なタイミング。
そうした思いで、急ぎ作り上げたプログラムになります。化石発見キャンプなどをしてきたネコわくのノウハウと、今回の軽石漂着でつながりのできた第一線の研究者の方々の知識を併せて、ひとまずネコクラブMコースのメンバーと共有する1日となりました。
主催:ネコのわくわく自然教室
TVニュースでも紹介!
ネコわくの軽石講座が沖縄テレビのニュースで紹介されました。(2021/11/23放送)
【プログラム構成】
1)軽石と火山の基礎座学
2)海岸に行き自分で軽石を採集
3)研究者とオンラインでつながり質問タイム
4)軽石と鉱物の標本作り
5)食べられる軽石お菓子作り
【チャプター1】午前
軽石と火山の基礎
(座学)
まずは軽石が生まれる火山のこと、軽石がどうやってできるかなどの基礎からレクチャー。そして旬の福徳岡の場についての話をして、漂着の状況を映像で見たり、被害の内容についても共有。そして、火山学として少し世界にも目を広げる内容も。
さらに、こうした軽石漂着の地球への影響のプラス面の話から、見た目から分かる軽石の分類、中に含まれる鉱物の種類などの話もみっちり1時間半。
今日の子ども達は小学1年生から中学2年生までのごちゃまぜ(ネコクラブはどれもそうですが)、それでもみんなしっかりと興味をもってついてきてくれました!
子ども達のノートもすごい情報量!
【チャプター2】午前
海岸で軽石を見分けて採取しよう!
がっつり知識を頭に入れたら、いよいよ自分で見つけに行くターン。漁港で実際に漂着しているパミスラフト(軽石のまとまり)を見つつ、近くの海岸に移動して、軽石を探していきます。もちろん、見つければ良いのではなく、研究者の方と作ってみた見た目から分かる8種類の分類表を持ちながら、それぞれの形や特徴を見ていきます。
チョコチップクッキー、スポンジ、チューブパミス、エリンギ、マーブル、ブーディン、、、などなど。名前だけでは、なんだそれは?となりそうな軽石の分類ですが、それぞれに軽石の作られた状況が異なり、その違いを分かりながら見つけていくと、とっても面白いんです。
そして、子ども達が大好きな鉱物探しも。福徳岡の場の軽石にはたくさんのハッキリした鉱物が入っています。かんらん石、単斜輝石、斜長石、そして鉱物ではないですが、黒曜岩やクロット、異質岩片など、わかっていると拾い上げる軽石がひとつひとつ違って、いくらでも探し続けられる楽しさがあります。
【チャプター3】午後
研究者とオンラインで対話
午後も軽石講座は続きます!第3ターンは、いよいよ第一線で軽石研究をしている専門家とオンラインでつながって、直接レクチャーを受ける時間。ZOOMでつながったテレビの前にみんなわくわくしながら集合。今回、協力してくれたのは、オーストラリアの大学などで活躍されている池上郁彦さん。ありがとうございます!
軽石の分類ごとにそれぞれ軽石ができた由来や特徴の面白さを解説して頂きました。そして、子ども達からの質問もなかなか鋭いものがたくさん!過去の研究や研究者になるまでの道のりなどの話もあって、興味で熱している子ども達にとっては、プロの専門家との対話自体がスペシャルに面白い時間となりました。
【チャプター4】午後
軽石や鉱物の標本を作ろう!
次は、自分で集めた軽石を観察しながら、自分だけの標本を作って行くターン。ここまで得た知識と冊子を元に、ルーペで観察しながら自分が集めた軽石を分類してみたり、その中に含まれるきれいな鉱物を見つけて、掘り出してみたり。こういう作業は子ども達が大好き!
透明なコレクションケースにきれいに配置して、ラベルをつけて、世界でたったひとつの自分だけの軽石と鉱物の標本が出来上がりました!
【チャプター5】午後
食べられる軽石を作ろう!
そして最後のターンは、なんと軽石を食べてしまおう!という時間。
いえいえ、軽石にそっくりな軽石お菓子を作ってみようというお楽しみ。今回はレンジでチンをする蒸しパンの要領で、福徳岡の場の軽石にそっくりな一品を作りました。ちゃんと、福徳岡の場の軽石の特徴であるクロットやかんらん石を入れて(もちろんそれらも食べられる素材で!)、見た目は本当に軽石そっくり。
標本ケースに本物の軽石と一緒に並べてみると、、、どれかわからない~!
そして、とっても美味しいんです。
軽石を学んで、軽石を触って、軽石を食べて。これでもかってほど軽石三昧の1日となりました。
おわりに
今回のこの企画は、沖縄県内での軽石漂着がいろいろな方向で話題となっている中、前向きに、純粋な科学的興味関心で子ども達に向き合って欲しいという思いで、ネコわくのゆうにーだけではなく、たくさんの専門家の方に協力を頂き作り上げた内容になります。本当にたくさんの協力ありがとうございました!
これで終わるのではなく、さらにブラッシュアップしつつ、沖縄の子ども達に広く伝えて続けて行けたらと思っています。
うちでも軽石講座して!という要望もお待ちしています!
ネコわくへの問い合わせ方法はこちらから
ぜひ読んでほしい
軽石問題についての考え方(ゆうにー)
【協力して頂いた方】
・池上さん
(オーストラリア・タスマニア大学)
冊子作りからオンラインまでたくさんの協力ありがとうございました!
・石村さん
(東京都立大学)
漂流のこと、研究者としての思いなどをたくさん教えて頂きました!
・鈴木さん
(ジオガシ旅行団)
岩石のお菓子「ジオガシ」について教えて頂きました!
サイト(ジオガシ旅行団)
・宇佐美さん
(沖縄県立博物館・美術館)
今回のきっかけとなる巨大軽石の収蔵から、その様子の情報提供までして頂きました!
・井村さん
(鹿児島大学)
今回の講座のあとになりましたが、生態系への影響や人との付き合い方についてのメッセージを頂きました!教材の改訂に追加していきます。
【協力していただいたTwitter】
・@geoign F.IKGM地球科学ニュース速報
・@metamorphicfl Kenta Yoshida
教材の内容の参考、直接の添削もして頂きました!
一番学ばせてもらった本
日本で漂着軽石といえば、加藤先生のこの本です!今回も巨大軽石の収集を通して、直接加藤先生にもつながるなど素敵な縁を結んでくれた本と軽石になりました。
この本のAmazonリンク
たくさんのご協力、本当にありがとうございました!
(ゆうにー)
子どもたちからの報告も!
家に帰ってからも軽石熱は冷めず、自分で復習をしてノートにまとめたり、お父さんお母さんに熱く語ったり、家族で軽石を探しに行ったり。いろんなうれしい報告が届いています♪
なんと今回のことを知ってMコースじゃない子も!
もっと軽石を好きになって欲しい!
ネコわくでは、動画などを通しても軽石の魅力をお届けしています!
まずはこちらから!
11/17
ついに発売開始!
日本で唯一の軽石の図鑑
「軽石のふしぎ図鑑」
11/7に開催したネコクラブでの軽石講座で作成した教材を元に、軽石を学ぶことができる本ができました!
イラストや写真をたくさん使ってわかりやすく表現し、子どもから大人まで楽しめる内容です。もちろん内容は、たくさんの研究者の方に協力を頂き、火山学的に正しい内容がしっかりと入っています。
【詳しくはこちら・購入先も】
by neco-waku
| 2021-11-09 15:44
| ★軽石のふしぎ講座
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